ひそひそ話

すこしおはなし。

「横道世之介」の魅力

 

 

 

 

Q.好きな映画、ドラマ

 

 

 

 

 

オーディション用のプロフィールや自己紹介の欄やプロフィール帳(懐!)などにも良くあるこの項目。

 

 

 

映画やドラマを見ない人、または見過ぎて何を書くか迷う人は多いかもしれないが、私はもう一択で決まっているのだ。

 

 

 

 

A.横道世之介

 

 

 

 

 

好き。本当に好き。

一択は嘘ついたかも。ヒミズとか、マイフレンドフォーエバー(邦題)とか、トイレのピエタとか、湯を沸かすほどの熱い愛とか、好きな映画は沢山あるんだけど、ダントツで好き。

 

もう色んな人にゴリゴリゴリ推ししまくって穴があきそうなほど推してる。

 

 

 

 

 

 

この映画は、タイトルの通り、「横道世之介」という人物と、それに関わった人たちの大学時代と現在を描く映画。ただそれだけである。

 

 

 

 

 

私が横道世之介を初めて見た時は、まだ「エモい」と言う言葉が無かったので、この感情を伝える術がなかったのだけど、今なら言える。

エモすぎる。この映画。

とにかく、時代設定、色調、全部が懐かしいように出来ている。

まず、キャスト全員本当に素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

わたし、その時代生きてないのにさ、

大学いったことないのにさ、

世之介と友達じゃないのにさ、

祥子ちゃんみたいな人会ったこともないのにさ、

 

 

 

 

 

もう懐かしすぎて、泣きたくてどうしようもない。

 

 

 

 

世之介は、普通だけど普通じゃない。

なんだか人を引きつけて離さない。

いい奴だけど、いい奴すぎない。空気読めないし、うわぁ男だなあって思うところもあるし、気の利かないところもある。

でもなんだか、面白くて思い出すと笑ってしまう、横道世之介

 

 

 

 

 

 

だがしかし、なんと言っても私は

祥子ちゃんが好きすぎて好きすぎて好きすぎて好きすぎてやっていけないよ。

こんな可愛い子地上にいないよ。くそう。

こうゆう可愛い子ほど世之介みたいなちょっと変な人が好きだったりする。かわいい。

 

 

 

 

ただね。まず言いたいのは、

この映画、長いの

邦画では珍しく、2時間40分。

むーん。無理な人は無理だよね。

長回しとか結構多いからね。

私は余裕で観れるけど、大体の人は、

Netflixとかで、一時停止して、

帰ってきてから続き見ちゃって

それでも終わらなくて次の日まで持ち越すよね。(配信されてるかどうかはしらん)

 

 

 

 

でもなー、一気に見て欲しいんですよ。

ストーリー的には、過去と現在を行き来する形なんだけど、もう、本当に本当に最後の、エンドロールのところで、

アジカンの「今を生きて」

 

流れた瞬間に

はぁぁぁあ〜〜〜

って力抜けちゃうからね。

涙ドバドバだからね。

アジカンとかなんだよ。もうやめてよ。

切なすぎるよ。。はぁ。

思い出すだけで、甘酸っぱいな。

 

 

 

 

あー、本当にいい映画なんだよなあ。

暖かくて、笑えて、愛おしくて、寂しくて、、

20代になってから尚更かもしれない。

この映画が泣けるのは。

なんか、過ぎ去った日々とか、

すごく近いようで、実はものすごく遠くて。

あの頃と同じ場所に立ってみても、

街が変わってしまったり、自分が変わってしまったり。

そうゆうことに切なさを感じながらも、

あの頃は楽しかったね、大変だったねって、

愛おしく思っている登場人物たちがいて。

その人たちを愛おしく思う私がいて。(誰?)

本当に素晴らしい映画。

 

 

 

 

 

ちなみにアクションとか、殺人とか一切ないのでね。洋画アクション苦手な人とかね(私)!本当に、おススメですよ。

 

 

 

 

 

とにかく、最初の1時間は黙って見て欲しい。

欲を言えば世之介と祥子ちゃんのクリスマスパーティーのシーンまで。

欲を言えば祥子ちゃんがタクシー乗るシーンまで。

欲を言えばアジカンの「今を生きて」まで。(エンドロール)

 

 

 

 

予告編貼っておきますので、

気になる人はぜひ。

 

 

 

『横道世之介』予告編 - YouTube

 

予告見てまたちょっと涙でちゃった。。

 

 

 

 

では、また。

もう一度、歯を磨こう

 

 

 

雨の降っている休日のことだった。

 


ねむれない。ねむれないのだ。

夜ご飯を早めの時間に軽く食べたら、

現在0:37、全く眠れません。

お腹すいた・・。真っ暗な部屋の中で何度か声に出して言ってみる。うん、むなしい。

こんな時間に何か食べるなんて以ての外。女子の風上にもおけない。

お腹すいたよぉ〜〜。声に出して言ってみる。うん、やはりむなしい。

明日もお休みだし、午前中用事もない。だけど、お肌のことや身体のことを考えると、早めに寝たいという気持ちは少なからずある。

 


その時、キッチンの電気がパッとついた。

わたしの部屋はキッチンに隣接していて、キッチンの電気がつくとうすーく細い光が入ってくる。

 


わたしはのそのそと立ち上がり、キッチンに出ると、姉がいた。姉はぬぼーっとした顔で立っており、私と同じくキッチンの照明に耐えきれない、といった顔をしている。

 

 

 

『お腹すいた〜〜』

「ココア飲む?」

 

 

 

姉は初めからそのつもりだったようで、もうコップを食器棚から出そうとしていた。

え〜〜この時間にココア〜?それってやばくない〜?ダイエットしてるのに〜?しかも牛乳今日たくさん飲んだしな〜?歯磨いちゃったしな〜どうしよっかな〜?

 

 

 

『のむ。豆乳でつくって』

 

 

 

 

最初から飲む気だった。たぶん。

 

 

 

 

 

 

 


レンジの前でココアを待ちわびている間、母も起きてきた。この時間までdビデオでドラマを見ていたらしい。女子高生か。

 

 

 

気づくと姉のベットに3人で腰掛けながらココアを飲んでいた。

1人だと罪悪感にまみれてしまうものが、3人になるとここまで心強い。

合計何キロあるのだろうかとか、誰かが立ち上がったらひっくり返らないだろうかとか、

そんなくだらない会話しかしていないけれど、

なんだか妙にほっとする瞬間だった。

 

 

 

明日の朝にはきっと忘れてしまう。

でもこの感覚を覚えておきたいな。

わたしが生まれてからの記憶の中で「家族」というものは、ずっとこの3人だった。

祖父母は近くに住んでいたし、親戚もいるけれど、20何年もこの3人で生活してきた。

 

 

 

 


おんなじような顔をした女が3人。

いずれは誰かが欠けていくんだろうか、

我が家はかなり遅いほうだと思うけど、

その時はいつか来るのだろうか。

ずっとこのままではいられない。

 

 

 

 

それはずっと遠くのことのようで、

すぐ隣にまで来ているかのようだった。

 

 

 

 

 

 

誰にとっても時間は同じ分量で流れる。

長い人生だし、夜中にココア飲む時間があってもいいよね。

 

 

 

 

 

めんどくさいけどもう一度、歯を磨こう。

 

 

 

 

 

おやすみなさい。

 

 

しんみり。

 

 

 

わたしは品川の新幹線のりばの見えるスターバックスで、うなだれていた。

 

 

 

 

ずっと好きな写真家がいた。

その人が写真展をやっていることに気づかず、夏は過ぎていったのだけど、

私はその事実に、写真展終了1週間前に気付いてしまったのだ!

 

 

 

 

これはもう、行くしか無い。

品川には数えるくらいしか行ったことがない。

電車に何十分も乗るほど遠いし、

新幹線だって東京駅で乗る。

意を決して、わたしは品川に足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のに。のに。

どうみても開いてない。

ドアが開かない。電気も消えている。

あと1週間はやってるはずなのに・・・

 

 

 

 

 

急いでHPを見てみると、定休日の所に目が行った。

あ、今日、何曜?あ、定休日・・・。

 

 

 

 

 

私は昔からそうだ。

頭よりも先に身体が動いて、肝心なところを見落としてしまう。

慎重なところは慎重なのに、本当に肝心なところを見落としてしまう。

 

 

 

 

 

ちびまる子ちゃんでよく出てくるみたいに、

頭にガーンという文字が浮かんだ瞬間に、

雨が降ってきた。本当にその一瞬で、ザーザー降りになった。

こんなにドラマみたいなことがあるのかと自分で面白くなってきてしまって、笑ってしまった。

 

 

 

なんだか面白くなってきて、来た道を引き返した。

 

 

 

 

でも私の心が折れることはない。

せっかく品川に来たのだし、ふらふらしてから帰ろう。

その前に、スターバックスで、美味しいコーヒーを飲もう。

 

 

 

 

 

新幹線のりばの見える席に座りながらぼんやり考える。

品川にはたくさんの人がいる。

日曜でもスーツを着たサラリーマンや、スーツケースを持って楽しそうにしている人、これから何処かに行こうとする人、帰る人。

いろんな人の人生をのぞいてみたいなと思う。

わたしもその中に紛れるひとりで、

わたしの人生はいまここにあるんだなあ、としみじみと感じる。

 

 

 

昨日までのわたしはもうここにいないけど、

焦らず、ゆっくり進んで行こうかなあ。

そう思った休日。

 

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